不登校になるとほとんどの場合、体調不良を訴えます。病院に受診するにしても何科にしたらいいのか悩みます。我が家の子は2人とも、まずはかかりつけの小児科で受診しました。長女は小児科に1回受診した後は、何とか自力で回復していきました。大学進学という節目が回復の追い風になったこともあると思います。次女も最初は長女と同じく小児科で受診しましたが、長期化して精神的な症状も出てきたので何件か病院を転々として、今は総合病院の児童精神科に通っています。児童精神科医を探してみると、個人でやっている開業医や総合病院の児童精神科など地域によってもいろいろと見つかると思います。ではどこに受診すればいいのか。順々にお話しします。
まずは近くの児童精神科から探してみる
子どもの不登校や精神的不安定による受診を行なっている医療機関は、
・児童精神科
・小児心療内科
・総合病院の思春期外来
・メンタルクリニック
・心の発達クリニック
など、地域によっていろいろな名称の病院があると思います。
不登校になると、外出を嫌がる子どもが多いので、
できるだけ受診するのは近くのお医者さんがいいとは思います。
でも、開業医の中には新規患者の受付をストップしているクリニックもあります。
病院のホームページなどをみて、
まずは新規患者を受け入れているのか最新情報を調べましょう。
ネット予約ができるようであれば、
子どもの体調が良さそうな時間帯に予約を入れます。
できるだけ待ち時間は短くなるように気をつけてあげるといいと思います。
子どもの性格を考えて、女医さんがいいのか男性の先生の方が話しやすそうか、ホームページの印象なども頼りに探してみるのもいいかもしれません。
児童精神科医ではなく、かかりつけの小児科でも診てもらえます
児童精神科医というと、どんな先生なのか想像がつかなくて受診しにくいという場合は、
かかりつけの小児科でも診てもらえます。
長女が不登校になった時には、精神科医という言葉に母親の私が尻込みしてしまい、かかりつけの小児科にまずは電話してみました。
不登校でも診てもらえますか…
大丈夫ですよ〜。
受診してください
看護師さんに優しく言ってもらえて、ホッと安心したことを覚えています。
医療機関を受診するまで、保護者が抱え込んで悩んでいる場合がとても多いと思います。
私もそうでした。
小児科に電話をかけた日の看護師さんの優しい声は、きっと一生忘れないと思います。
長女は高校3年生でしたが、小児科で受診できました。
かかりつけ医は、小さな頃から通っていたこともあって、相談しやすいというメリットもあります。
長女と小児科を受診した時、ひと通り私が今の状況を説明した後で、先生に優しくバシッと言わました。
明日からは、登校するのかしないのかは(長女)さんが決めてください。
え?
先生が、学校に行けるようにうちの子を説得してくれるんじゃないの?
と、私はまず思ってしまいました。
でも次の瞬間、娘の気持ちを無視してとにかく登校させようと必死だった自分にハッと気づかされたのです。
そのころの様子は、下の記事で書いていますので、よろしければそちらを読んでみてください。
児童精神科を受診してみてわかったこと
不登校は子どもに原因があると思って、病院に連れていきましたが、実際に小児科や児童精神科を受診してみてわかったことがあります。
・原因は子どもの中だけにあるわけではない
・これまでの子育てが全て間違っていたわけではない
・医師は、子どもだけではなく、保護者の方からもアプローチしてくる
・子どもが受診することで、保護者の心も救われる
・学校に登校させなければいけないという規定概念を取り払ってもらえる
・困った時に助けてもらえる存在(医師)がいることで安心できる
・不登校の諸症状(頭痛、腹痛、吐き気、不安感、不眠など)の改善に、薬を頼ってもいい
それぞれについてお話ししていきます。
原因は子どもの中だけにあるわけではない
不登校になると、まずは子どもの中に原因を探そうと、疑ってしまいます。
子どもが学校に馴染めないのは、発達障がいが原因なのではないか
発達症がいについて調べると、書いてある特徴が全て子どもに当てはまるような気がしてくるのです。
でも、診断するのはお医者さんです。
あれこれ悩んだり、心配したり。
過去の出来事を一つずつ持ち出して、子どもの行動を発達障がいに紐付けて…。
もしかして、診断名がつくんじゃないかなあ…
自己診断であれこれ疑ったりしても、何の意味もありません。
確かに、集団生活の中で生きづらさを感じる子もいます。
次女もそういうタイプかもしれません。
でも、専門的なことは医師にお任せして、先回りして心配したり、悩んだりしなくてもいいと思います。
不登校になる要因は、他にもいろいろなことが考えられます。
だから、学校に行けないことを責めないであげてほしいのです。
父親や母親が、学校に行かないことを「責めること」自体が、不登校の要因の一つかもしれません。
これまでの子育てが全て間違っていたわけではない
学校に送り出せなくなることで、親の責任が果たせていないと自分を責めてしまうこともあると思います。登下校している学生を見ると、
あの子たちの保護者はみんな学校に通わせることができているのに、なぜ自分はできないんだろう…
と悲しくなってしまう時期もありました。
不登校になった今の時点だけではなく、過去の子育ても全部否定されたような気持ちにもなります。
どこから、何歳の頃から子育てを間違っていたのかなあ?
子育ての何が間違っていたのかなあ?
私は一体、どうすれば良かったのかなあ?
どうしても過去のことばかり考えてしまいがちなのですが、過去はもう変えられません。
起こってしまったことはそのまま素直に受け入れて、
これからの子どもの未来のことを考える時間に置き換えましょう。
ひとつ言えることは、不登校は“間違い”ではありません。
一般的な子どもの人生には現れない、枝分かれした新しい人生の選択肢がぴょこっと現れたのだと思えたら、何だか得をした気分になれます。
不登校になりたての頃には、全くそんなふうには考えられませんでしたが、今は、子どものこれからの人生がどうなっていくのかが、とても楽しみです。
自分自身が通ってきた、「中学校から高校へ進学して大学へ行って、一般企業に就職して結婚する」というある程度ノーマルな人生ではない、私には想像もできない人生を歩き出そうとしているのです。
だから、これまでの子育てが間違っていたわけではありません。
でも、少し変えたほうがいい「子どもとの接し方」はあるかもしれません。
私の場合は、細かいことにまでいちいち怒りすぎていたことでした。
児童精神科に受診すると、子どもの面談とは別に保護者も面談する時間をとってもらえます。
前回の受診からあった出来事について先生と話をしていると、
子どもとの接し方のヒントをたくさん教えてもらえます。
ヒントをもとに今では、これまでとは180度違う子育てをしています。
子どもたちを頭ごなしに怒らないぞ!
最近、ママもパパも怒らなくなったよねえ〜 笑
そうだね〜。ママは、昔はいつもイライラしてたよね〜! 笑
子どもの意思を尊重するぞ!
子どもの選択をコントロールしようとしないぞ。
この服が欲しいんだけど、この色でいいかなあ…(明らかに私の顔色をうかがっている様子)
いいんじゃない!自分が好きなものを選んでいいんだよ😊
子どもの人生は子どものもの。子どもに全て選択させるぞ!
子どもに人生の選択の責任を取らせるぞ。
(おそるおそる💦)ニートになってもいいかなあ?
自分で決めるんならいいんじゃない😊(本音:あわわわわわわわ 汗)
他にも、お風呂に入らなくても、歯を磨かなくても、夜更かししていても、怒りません。
虫歯になって歯が痛くなったら、歯医者に連れて行けばいい。
ご飯を一緒に食べなくても、怒りません。後で一人で食べてもいい。
あまりにも細かく怒りすぎると、自分も疲れて潰れてしまいます。
子どもの人生は、子どもに任せればいいんです。
自分はこうやって楽しくブログを書くとか、
子どもの成長を後ろから見守るくらいが丁度いいみたいです。
医師は、子どもだけではなく、保護者の方からもアプローチしてくる
公認心理士の友達から教えてもらったことがあります。
児童精神科医は、子どもだけではなく、保護者の方からも子供への接し方についてアプローチしてくるのだそうです。
不登校は当事者の子どもの問題だけではないことが多いです。
*家庭環境や保護者の考え方
*保護者の価値観
*学校の先生の接し方
*小規模な学校なのかマンモス校なのか
さまざまな要素が影響します。
子どもからだけではなく、保護者からも話を聞いて、親の考え方を子どもに寄せていくと聞きました。
先生に親の子育ての概念を微調整してもらうことで、
全くわからなくなった子どもの気持ちが徐々に理解できるようになってきます。
壊れかけた親子関係も、徐々に元に戻ってきます。
子どもが受診することで、保護者の心も救われる
こども家庭庁では、R7年度から新たに、これまでに不登校の子どもの支援にあたった経験がある心理や福祉の専門家など「専門の支援員」を自治体に配置します。
学校だけでなく地域全体で不登校の子どもを支援する事業に取り組むとの方針を固めました。
でも…
遅い!実に遅い!
うちの次女は来年度には、支援の対象から外れます。
残念です。
間に合いませんでした。
でも、学校や行政ではなくても、相談できるところはあります。
学校に登校させなければいけないという規定概念を取り払ってもらえる
次女の主治医は、
中学校に戻ることをゴールとしていません。
もう中学校の出席日数を稼ごうとしないで、高校生になってからそれ以降のことを考えてあげてください。
この言葉で、私は救われました。
再登校させた方がいいのかなあ?
高校受験するかもしれないし、1日でも多く出席日数が多い方が、高校受験のためにもいいのかなあ?
そんなことは、もう考えなくてもいいんです。
子どもの頃から植え付けられてきた、学校は行かなければいけないものという規定概念は捨て去っていいのです。
次女のペースで次のステージを探せばいい。
焦らなくても大丈夫。
次女も自分なりにいろいろと考え始めているみたいだし。
去年の今頃の私に伝えたいことがあります。
あなたの子どもなんだから、大丈夫!信じてあげて😆
困った時に助けてもらえる存在(医師)がいることで安心できる
不登校の子どもたちが30万人になって、国がやっと重い腰を上げ始めました。
これまでにも多くの子どもたちが支援対象にもならずに、学校から遠ざかって、今も自宅で引きこもっているかもしれません。
不登校の専門の支援員を配置できても本格的に稼働するまでには、まだまだ時間がかかると思います。
しかも、専門の機関に繋ぐのが仕事なので、実際に支援を期待できるわけではありません。
やはり、まずは医療機関に受診することをお勧めします。
どうして学校に行かなければいけないの?
なんで勉強しなきゃいけないの?
学校に行かなかったらどうなるの?
勉強しないと社会に出れないの?
毎日つらい…
体調が悪い
生きているのがつらい…
・・・・・・・どうしようねえ😓
子どもたちから投げかけられるこういった言葉に、親としてどう答えればいいのかわからない瞬間が多々あります。
そして、うまく答えられなかった自分をまた責めたりして…。
でも、困ったら先生に聞くと、適切なアドバイスをもらえます。
不登校生活が1年をすぎた頃、
エネルギーが溜まってきた次女が言い出しました。
暇だ〜〜〜!!!!!
その時も、先生にどうすればいいのか相談しました。
そして、教えてもらいました。
「ああ、そうなんだねー。暇なんだねー。」というぐらいの返事にして、あまり動かないようにさせてください。不登校が長くなって体力がなくなっているので、今動くと、疲れてまた動けなくなってしまって、自信がなくなります。
なーるーほーどーー!
親としては、動き出したら、「チャンス!」
とばかりにいろいろと連れ出したくなったのですが、まだ「待て!」の状態なんです。
こんなアドバイスは、学校の先生はしてくれません。
逆に、学校におびき寄せ作戦を仕掛けられて、親子ともに心身が疲れます…。
困った時に相談できる、
助けてもらえる医師がいることで、とてもとても安心できるのです。
不登校の諸症状(頭痛、腹痛、吐き気、不安感、不眠など)の改善のために、薬をたよってもいい
不登校になると、
さまざまな体調不良を訴えてきます。
頭がいたい
お腹が痛い
吐き気がする
歯が痛い
眠れない
起きられない
食べられない
不安だ
・・・・・・・・・・・・・・・
(なんも言えねー)
こんなに体調不良をずらずらと並べられると、親としても何も言えなくなります。
お医者さんに行って診てもらう?
・・・・・・うん。
こんな時は、主治医の元へ駆け込みます。
子どもの症状を伝えて、何とか頼み込んで、
予約でいっぱいだったとしても何とか受診日を入れ込んでもらいます。
先生、病院のみなさんスミマセン…私一人じゃあ、もう無理なんです。受け止めきれないです…。
そして、症状に合わせたお薬を処方してもらいます。
不登校で薬を飲むなんて…と最初は私も抵抗感がありました。
もともとの原因が不登校だとしても、
子どもが安心するなら、楽になれるなら、お薬に頼ってもいいと思うんです。
次女は、偏頭痛持ちなので、頭痛薬と吐き気度めは毎日飲んでいます。
不安になったら飲む薬は
「お守り」のようにとんぷく薬として処方してもらっています。
その薬があれば、
突然不安になっても、これがあれば大丈夫…。
遠出もできます。
眠れない症状が続いた時は、眠りやすくするお薬を処方してもらっていた時期もあります。
睡眠薬のようなものではないので、癖にもなりませんでしたし、
今はもう飲んでいません。
薬の飲み方については、素人があれやこれや心配するより
主治医や薬剤師さんにお任せして、助けてもらえるのならどんどん相談した方がいいと思います。
薬も人も総動員で、不登校問題に立ち向かえばいいのです。
武器や仲間は多い方がいいですよね!
それでは、また。