子どもが不登校になると、悩むのが「仕事を辞めた方がいいのか問題」。我が家の子が不登校になったのは、長女が高校3年生の時、次女は中学1年生の時でお留守番ができる年齢だったので、すぐに仕事を辞めるという決断はしませんでした。子どもたちが小さい頃から働いていたので、自分だけの時間が取れなくなることに抵抗があったからです。それに、不登校の親の会に参加したときに、参加されていたお母さんたちが、満場一致で「仕事はやめない方がいい」と言われていたこともありました。それを信じて、仕事を辞めずに、日々のストレスからくる体調不良とも闘い、頑張ってきましたが、ついに14年間勤めた仕事を辞めることにしました。なぜ、その選択をしたのか、その選択で何が変わったのかお話しします。
仕事はやめない方がいいと思っていた
次女が不登校になった時に参加した「不登校の親の会」で、泣きながら聞いてみました。
やっぱり(母親は)仕事は辞めて、子どもと一緒にいてあげた方がいいのでしょうか?(オイオイオイグズっ 涙)
仕事を辞めると、一日中子どもと向き合っていなければいけないから、それもキツいですよ。うちの場合、子どもは小学校低学年で、私は教師をしていましたが、辞めなければ良かったと今は思っています。
私の子は、中学生と小学校高学年ですが、仕事はやめない方がいいと思いますよ。
お話を伺うと、それぞれのお宅のご事情がいろいろとありました。その会では、発言をされたお母さんたちの中で、仕事を辞めた方がいいというお母さんはひとりもいませんでした。
別の日、違う「不登校の親の会」にも行ってみました。
そちらは、ベテランの親御さんが集まる「不登校の親の会」で、お子さんたちはほとんど成人されていて、学校を卒業された後のお話をたくさん聞かせてもらいました。
*不登校後、一人暮らしを始めて、なんとか就職もできて頑張っている。(20代の息子さん)
*娘は30歳になるが、自宅でできる仕事を見つけてきて、Webデザインの仕事をしている。今では、母親の私より稼ぐようになって、養ってもらっている。こんな風になるなんて、思ってもいなかった。
*精神状態が悪くて、今は入院している。(年齢不明)
お子さんたちの進路もそれぞれでした。
子どもがまだ不登校になりかけで、ビービー泣いてばかりいるひよっこ母親の私には、想像もつかないような長い年月をお子さんたちと一緒にゆっくりと過ごしてきた、ベテランの先輩方ばかりでした。
私たち夫婦が参加した日は、ほとんどの時間を我が家の話に割いてくださって、私と夫の話をただ黙って、皆さん聞いてくださいました。
夜中までゲームをやっていて、取り上げようとすると暴れ始めて手がつけられません。他の不登校の親の会では、ゲームは好きなだけやらせたらいいと言われたのですが、どうしたらいいのか分からわかりません。
子どもが一人で留守番しているのが心配なので、仕事を辞めるかどうか、悩んでいます…
皆さん静かに頷いている中、進行役の不登校に詳しい先生がアドバイスしてくださいました。
大丈夫だからね。一緒に頑張りましょう。
家計の問題もあるからなんとも言えないけれど、私は仕事はやめない方がいいと思います。
ここでも、仕事はやめない方がいいと助言されました。
仕事については、それが最適解なのかな?
その時の私は、そう解釈して、仕事はやめずに、療養休暇を取ることにしました。
母親が仕事を辞めないメリット
私の場合は、自分自身の体調不良もあったので、仕事を退職はしなかったものの、療養休暇を3ヶ月ほど取らせてもらいました。
その後、仕事に復帰して、体調不良になるとまた療養休暇をとって…というのを何度か繰り返しました。
その間、仕事を辞めなくて良かったと思ったメリットをお話しします。
*憂鬱な子どもの顔を見なくて済む
*仕事に集中している時は、不登校のことは忘れられる
*一日中、子どもの心配をしていた生活から解放される
*仕事の行き帰りに自分だけの自由時間が取れる
*職場の同僚とランチに行って、気晴らしができる
*お金が稼げる
*やりがいのある仕事を続けられる
私は児童福祉関係の相談員をしていました。
自分の子どもが不登校になるという後めたさを感じながら、仕事をしていました。
自分の子どもを学校に通わせることもできないのに、他人に子育てについて語るなんて…
それでも、仕事にはやりがいを持っていたので、休暇をとりながらも、我が子と離れて仕事を続けられたことは、その時はよかったと思っていました。
母親が仕事を辞めないデメリット
私が仕事を辞めないことによるデメリットもたくさんありました。
*次女の昼夜逆転の生活がさらに悪化
*仕事に行く前に、次女を起こしてあげられなくなった
*仕事で疲れて、自宅に帰ってきてから自分が不機嫌になってしまう
*仕事で疲れて、家事ができない(外食が増えて、出費がかさむ)
*仕事帰りに、息抜きをしすぎて帰りが遅くなり、夕飯が遅くなる。
*次女の食事が夕飯だけの1日一食になってしまった。
*職場のストレス(14年分の溜まったストレス)
*毎日の出勤時間:往復1時間
*不登校の子どもを放っているような罪悪感
辞めないことによるメリットと同じくらいデメリットがあります。
しかも、次女の不登校に直接的には関係のない14年分の職場のストレスがプラスされて、デメリットの存在感がより際立っています。
直接的には関係ないようにも見えますが、今思うと、職場のストレスは、娘たちの不登校に間接的に影響を及ぼしていたと思います。
仕事を辞めないことには、私の実父母の考え方も相当な影響を及ぼしていました。
役所(地方自治体)の仕事はいいぞー
休みも取りやすいし、よっぽどのことをしなきゃ辞めなくてもいいし。
辞めるなあ〜
長きに渡る父からの呪縛で、なかなか辞めるとは言い出せませんでした。
辞めようかと相談したら、
「どうして〜⁉︎もったいない!辞めるなー!」って絶対言うよなあ…
それなりに、職場のストレスがあり、何度も退職しようかと迷ったことはあります。
でも、その度に、実家の父の言葉が頭をよぎりました。
辞めんな〜。
(ヴヴヴヴヴヴヴヴウヴヴヴヴヴヴヴヴヴ)
うん、そうだね〜。
ある日、好きなYouTuberさんのライブを見ていた時に、リスナーからの質問に「そんなの別に(親になんて)言わなきゃいいのに〜」と回答していたのを聞いて、稲妻が走りました!
(親に辞めたことを)言わなきゃいいんだーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
簡単なことでした。
言わないで辞めれば、父に何も言われずに済むんだ。
この年まで気がついませんでした。
生真面目というか、いきにくい性格というか。
我ながら、親が喜ぶよう道を、無意識に選択しながら生きてきたのだなあと思いました。
仕事を退職すると決めて、わかったこと
心が自由になりました。
空が青く見えるようになりました。
あれ?私ってこんなにこの仕事を辞めたかったんだ…
児童虐待防止のための相談員をやっていることが、自分のやりがいだと思っていました。
でも、思っている以上に、そのやりがい以上の負荷が自分にかかっていたことに気づいていなかったようです。
海が青く見える!
空が青く見える!
最近、家族に言われたことがあります。
最近、ママ、明るくなったよね〜
なんか、元気だよね〜(ニコニコ)
また、推しのYouTuberさんの言葉に救われました。
何かお礼を…と思っても、どこにいるかもわかりません。異次元にいるそうです。笑
私がいなくても、職場の仕事はまわる。
何より、次女も明るくなったのが嬉しいのです。
え⁉︎ 明日から、ママ、毎日家にいるの?
本当に?へえええ〜〜〜(ニコニコ)
ニッコニコ😆で、喜んでました。
実は…最近、次女に度々お願いされていました。
ママ、仕事辞めてよー(!!!)
次女からの切実なSOSだったんです。
仕事ファーストで生きてきたので、これも見逃すところでした。
でも、不登校の先輩お母さんたちの言葉を信じて、仕事はやめない方がいいという呪縛もあったので、知らず知らずのうちに身動きが取れなくなっていたようです。
私ったら…
また、やってしまってたんだなー!
反省…。
でも私が辞める決断をしたことで、次女が笑顔になれて、よかったー。
今日も、ニコニコ笑顔で起きてきました。
その顔が見られるだけでも、辞めることを決めてよかったです。
結論、子どもが不登校になったら仕事はどうすればいいのか
ケースバイケースです!
すごく、他人事のように聞こえるかもしれませんが、私の行き着いたところです。
我が家の場合の結論です。
*仕事を辞めない方がいいと思っていたのは、母親の(私の)気持ち
*仕事を辞めた方がいいと思っていたのは、子どもの(次女の)気持ち
我が家の最適解としては、子どもの気持ちを尊重することにしました。
その子、その子で家族が家にいることを窮屈に思う子や、ひとりでいる方がホッとする子どももいると思います。
お母さんが仕事で留守にしている時間が、子どもにとっては自由にしていられる時間なのかもしれません。昼間は、学校がある時間帯なので、登校していない罪悪感もあって寝ていたいのに、親御さんがいると後ろめたく思う子もいます。
そんな話を主治医から聞いたことがありました。
母親が家にいると、子どもに変なプレッシャーをかけてしまうかなあ…
次女には変に気を遣っていました。
不登校になりはじめの頃は、次女がいつも不機嫌そうにしていたこともありますが、こちらから話しかけないようにしていました。
学校に行かないことに罪悪感があるだろうし、ひとりでいたいんじゃないかなあ…
でも、何を考えているのかは、本人に聞いてみないと本当のところは分からないものです。
やっぱり、ひとりは寂しいですよね。
不登校になってしまうと、我が子なのに腫れ物に触るように、気をつかってしまいがちですが、我が子は我が子。
気を使いすぎず、いつも通りに接してあげてください。
きっと、子どもも罪悪感で普通通りにできないだけです。
こちらが普通でいれば、子どもも普通になります。
それでは、また。