不登校になると、さまざまなデメリットばかりが気になりますが、長く不登校と付き合ってみるとデメリットばかりではなく、メリットもあることに気がつきます。不登校になったっきかけがなんであれ、メリット・デメリットはあります。しかし、中でもいじめが原因で不登校になった場合は、少し状況が変わります。自分ではどうしようもない要因がたくさんあるからです。いじめで傷ついた心の修復には、本当に長い時間がかかります。親としては、人を信じられなくなってしまった子どもの心から湧き出してくるツラい気持ちをそのまま受け止めて、ただただ聞いてあげることから始めなければいけません。最近は、「いじめが原因で不登校になるケースは減ってきている」といわれていますが、いじめがなくなったわけではありません。いじめが理由で学校に行かなくなった子どもが、その環境(学校=地獄)に戻ることはなかなできません。
いじめで不登校になったら親はまず何をしたらいい?
まさか、自分の子どもがいじめにあうとは思っていませんでした。
なので、次女の気持ちを想像することもなかなかできませんでした。
毎日、毎日、クラスの子から嫌がらせを受けていると一生懸命、次女がSOSを出していたのに…。
聞いて!今日もさあ、「アイツ◯◯じゃねえ?」とかっていうのが聞こえてきてさあ。
ふ〜ん・・・
その子は(次女)のことが好きなんじゃない?
話をちょちょらに聞いて、茶化していたりして…。
真面目に受け止めてあげていませんでした。
今、思い出しても胸が痛みます。
中学1年生の夏休みにあった個人面談で担任と話した時にも、親としての真剣さが足りずに、ヘラヘラ笑って雑談のように話してしまって、次女のツラさが担任には全く伝わっていませんでした。
担任は、いじめている側の子を擁護することに必死で。
あの子(いじめた側)も、今、人の気持ちがわかるように一生懸命頑張っているんです!!!
そ、そうなんですねえ・・・
(ゔゔゔゔゔゔゔゔ…)
いじめられた側の親が騒がないように、火消しに全力を尽くしている様子でした。
結果、次の席替えで、なぜかいじめている子と席が前後になってしまい、
次女はどうにも逃げられない状況になってしまいました。
私の母親としての感度が鈍くて、周りの目ばかりを気にしていた結果。
先生に気をつかって、一番大切にしなければいけない我が子の心を置き去りにしてしまった結果です。
学校に対して文句を言う面倒な親だと思われると、子どもへの先生の態度が変わっても嫌だなあ…
などといらぬ心配をしてしまいました。
いじめの対応は初動が一番大事だと思います。
しかも、ハッキリ言わないとわかってもらえません。
学校からどう思われようが、子どもを守れるなら良いんです。
転校だってできるし、学校なんてたくさんありますから。
地元の中学校が全てではありません。
でも、動きはじめるのが遅過ぎて、子どものエネルギーがなくなってしまってから転校を考えたりしても、もう子どもは動けなくなっている場合が多いです。
まずは1日でも早く、仕事を休んでも、学校に相談することが大事です。
言いたいことをバシッと言わないと、学校の先生には伝わらない
いじめについて学校に相談に行くときに
注意してほしいことがあります。
- どれだけ早く、学級内で起こっている嫌がらせの事実を正確に把握できるか。
- どれだけ真剣に、学校に保護者として伝えることができるか。
- いじめた側を怒っただけで問題が終わるわけではないと先生に言い続ける。
- その後、いじめられた側の視点で何を対応してくれているのか確認する。
- モンスターペアレントなんて言葉に負けないで、冷静に困っていることを学校に伝え続ける。
先生もお忙しいので、一人の子が悩んでいることに構ってばかりいられないのかもしれません。
ですが、学校に行けなくなるというリスクは子どもの人生においてリスクが大き過ぎます。
クラス40人のなかで2〜3人、学校に来れなくなった子どものことばかりを構っているわけには行かないのでしょう。
でも、登校している子も登校していない子どもも頑張って生きているんです。
学校に行かないことで心と体を休めていますが、何も頑張っていないことではないのです。
次女が、先生との面談の際に、入学当時からクラスメイトからいじめられていた同級生のことを担任の先生に訴えていました。
確かに自宅でも、次女はいつもその同級生のことを心配していました。
同級生の筆箱が隠される。
同級生の机に、コロナのために常備されていた
アルコールスプレーで悪口を書いている。(時間がたてば消える)
担任の先生に相談してあげたらいいよ!
こんなふうにアドバイスしていました。
不登校になってから聞いた話ですが、次女は先生との定期的な個人面談で、
自分の時間を使って、同級生のことを先生に相談していたそうです。
それについて担任が言った言葉に、心が締め付けられました…。
人のことなんて言ってないで、自分のことを相談してくれればよかったのに!
・・・・・残念。
非常に残念極まりないですよ、先生!
毎日、学校でうちの子を見ていて気が付かなかったのですね。
次女が本当に困っている気持ちや同級生から受けている嫌がらせを聞き出すスキルのない担任だっただけ。
不登校の親の会の先輩が言っていました。
担任と話が合わない場合は、学年主任の先生や教頭先生に話を聞いてもらうといいそうです。
私たちも教頭先生に相談しようとしましたが、アポを取ったらすぐに担任から電話がかかってきました。
あのー、教頭に何のお話なのでしょうか?
変な探りが入って、面倒になってきました。
同時に私自身も体調が悪くなってしまって、学校への相談はできずに諦めてしまいました。
先生だからと言って遠慮せず、伝えたいことがある時は、
はっきりと子どものために伝えましょう。
後悔のないように、行動できるといいですよね。
学校に行かないことのメリットとデメリット
不登校になると、「かわいそうに…」と思われがちです。
でも、実際に子どもが不登校になってみてわかったのですが、不登校はデメリットばかりではなくて、学校に行かないことで得られるメリットもあるんです。
不登校のメリット
- お弁当を毎日作らなくてもよくなる 笑
- 毎日、宿題を無理やりさせなくてもよくなる 笑(2回目)
- 熱中症の危険があるなか、日陰のないグランドでの体育祭に命をかけて参加させなくてもいい
- 反抗期の子どもをガミガミ怒りすぎて、壊れかけた親子関係を立て直すことができた
- 嫌なことを「嫌だ」と言い、ツラい時は逃げてもいいんだと社会に出る前に教えてあげられた
- 親子ともども、本当に好きなこと、得意なことをゆっくり考える時間を作れた
- 人生の生きやすさ、頑張り過ぎなくていいことを知れた
不登校のデメリット
- 学校のイベントに参加できない(代替案:家族やフリースクールでインベントのリベンジ)
- 学校の友達との交流がなくなる(代替案:ネッ友と交流)
- 運動量が減って、体力と筋力がなくなる(代替案:自宅でスクワット)
- 集団行動の経験(代替案:フリースクールや、自分の趣味の中で集団を経験)
デメリットと言っても、代替案はあります。
学校の先生はデメリットに勉強ができないことを挙げると思いますが、勉強なんて、いつでも大人になってからもできます。たとえ勉強をしなくても生きていけます。
今、こうして考えると、我が家にとっては、
メリットの方が多い結論になってしまいました。笑(3回目)
不登校は、決して悪いことばかりではありません。
「いじめた加害者」が受講する教育プログラムの設置について
以前、NHKの特集で不登校についての番組で学んだことです。
アメリカでは、いじめ問題について、いじめられた側ではなくいじめた側に問題があるとして、
いじめっ子がどうして、他人をいじめることになったのかその原因を見つけるために【専門プログラム】に参加させます。
いじめていた子は、自分に何かしらの問題があって友達をいじめてしまうということに気づいていない場合が多いです。
いじめたことを先生が怒って反省させるだけではなく、いじめた側の子の原因・問題を探っていくプログラムです。
さらには、家庭環境や生活環境、個性、考え方など、人との関わり方に問題があることを学ぶプログラムです。
学校の先生は、いじめられて登校できなくなった子どもの自宅に家庭訪問することに尽力されますが、
いじめていた子の家庭に訪問して問題が何かないのか、自分の子どもがいじめる側になってしまったという問題意識を、いじめた側の保護者にも考える機会を与えることも必要だと思います。
いじめの根本の問題を見つけ出さないと、また被害者が出てしまうかも知れません。
いじめた側の子にもテコ入れすることで、いじめられていた子はそのまま学校に通うことを選択できるかもしれません。
一回だけ「ごめんな〜」と子どもに謝らせただけでは、問題解決にはなりません!
ひとりの子どもの人生を捻じ曲げた責任は大きいのです。
教育委員会の偉い方々は、ぜひ、外国に今すぐスッ飛んでいただいて、
教育先進国での現状や新たな取り組みについて学んで、日本にも取り入れるべくレポートを発信していただきたいと思います。
日本の教育は、先進国の中ではいろいろな面でどうしても出遅れていると思うのです。
特にいじめ対応に関しては、ただのヒヨッコです。
それでは、また。