「不登校」というキーワードで検索すると、「3週間で不登校を解決します!」という文字が躍り出てきます。
・・・いやいや、普通に無理でしょ。
おそらく、その解決方法にはお金がかかって、結果も保証されているものではありません。不登校はお金で解決するものではありません。子どもに寄り添って、子どもに語りかけるのは他人ではなく、親にしかできないことだと私は思っています。例え、こどもを学校に再登校させることができたとして、それはその子にとっての最善な選択だと言えるのでしょうか。辛くて学校に行けなくなっているのに、どうしてまたその辛い世界に連れ戻すのか。子どもは学校に行くものだから?大人は会社で働くものですか?会社に行かなくたって、自宅で働くこともできます。子どもだって、学校に行かなくたって自宅で学ぶこともできます。再登校が最善ではない子もいるのです。そんなお話をします。
【文部科学省の調査結果】どうして学校に登校できないのか?
文部科学省から通知された「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(令和5年10月4日通知)によると、不登校の要因(主たる要因として多いものは以下のとおり)で半数以上の割合を占めたのは、「無気力・不安」でした。
人数 | 不登校児童生徒に占める割合 | |
無気力・不安 | 154,772 人 | 51.8% |
生活リズムの乱れ,あそび,非行 | 33,999 人 | 11.4% |
いじめを除く友人関係をめぐる問題 | 27,510 人 | 9.2% |
親子の関わり方 | 22,187 人 | 7.4% |
左記に該当なし | 14,814 人 | 5.0% |
では、「どうして子どもたちが学校に行けないのか」「なぜ無気力や不安になっているのか」については、細かく調査されていないようです。
なぜ、もっと細かく調査しないのか。
・学校に行くことが当たり前だと思っているから。
・学校に行くことが最善だと思っているから。
・勉強をしない選択肢があることを知らないから。
・勉強をしないと幸せになれないと思っているから。
・学校に行けない子は、我慢が足りない子だと思っているから。
・学校に行けない子の親に原因があると思っているから。
・学校に行って勉強して、成功したと思っている自分の人生を否定したくないから。
文部科学省の職員さんも、一生懸命、深夜まで残業しながら、全国の都道府県に調査をかけて取りまとめてくださっていることは、仕事柄、知っています。
でも、当事者である不登校の子どもの母親としては、こんな風に見えてしまいます。
気持ちが溢れてしまった…。
関係者の方々、ごめんなさい。
でも、不登校の親の当たりどころもないのです!
正直、学校に行かなくたって、生きていけるのです。
小・中・高校と不登校でしたが、独学で動画編集の勉強をして、親御さんを養っている方を知っています。
好きなことを伸ばして、働くこともできるのです。
日本で一番有名な大学を出ても、人とのコミュニケーションが取れずに仕事ができない人も知っています。
義務教育のあり方が問われる時代なのに、それに目を向けず、学校に行けない子ども達の中に原因を探そうとしている。
調査や検討の方向性が悪い!
昔から、学校に行けない、不登校の子どもたちは一定数いたと思います。
学校に行くことは苦痛だけど、親も怒るし、しょうがないから行くか…
といって、シブシブ学校に行っていた子もいたはずです。昭和の親たち、学校の先生たちはゲンコツが当たり前でした。
学校に行かない、宿題をしない、部活をサボるとすぐに鉄拳が飛んできます。
今は、児童虐待にあたりますので、ゲンコツはNGです。
子どもが嫌だと思うことは、親がどんなにしつけだと言い張っても問答無用で虐待です。
私が小学生の頃、今思えば特別支援学級での支援が必要だったと思えるような同級生に対して、「姿勢が悪い!」といって、背中に1Mの定規を襟元から服の中に入れて、矯正させようとしていた先生もいました。
整形外科の先生でもないのに。その光景を見ていた私たち同級生に対しても、心理的虐待に相当する行為となります。
今でも忘れられません。
みんなと同じ行動が難しい子、大人数がひしめく場所にいることが苦手な子どもがいます。
1.集団の中にいるのが怖い
2.人の目が気になる
3.大きい音、うるさい空間が苦手
4.ひとりでいることが好き
5.毎朝、同じ時間に行動(登校)することが苦手
6.電車やバスの人混みが苦手
7.人の気持ちを汲み取ることが苦手
8.自分の気持ちを伝えることが苦手
9.横になっている状態から起き上がるまでに時間を要する
学校という集団生活が、どうしても苦手な子が一定数いるのです。
なんで学校に行けないんだろう…なんで朝、起きられないんだろう…
なぜ学校に行けないのか子どもに聞いても、自分でも理由なんてわからないのです。
私は好きな男の子がいたので、学校に行くのは楽しみでした。笑
今で言うなら推し活です!
でも、大人になって考えてみると、先ほどあげた特徴に当てはまるところがいくつかありました。
一番は、両親を心配させたくなかったから、学校に行っていました。
自分のためではなく、親のため。
浅く広く、そつなくできる子どもだったので、そこは助かりました。
でも社会に出てから、本当に辛かったです。
まずは毎朝の出勤。私は、小学生の頃から遅刻の常習犯で何枚反省文を書かせられたことか。
反省文なんて書いたって、遅刻は治りません。だって、反省文を書くことが上手になるだけだから。
時間が読めない…
なんでいつも遅れちゃうんだろう…
一生、待ち合わせるたびに謝ってるな、私。ダメなやつだな。
大人になった今でも時間はギリギリを攻めてしまいます。
流石に仕事の打ち合わせの時間はかなり気を張って守りますが、友達との待ち合わせはほぼ遅刻です。
どんなに早く起きて時間に余裕があっても、なぜか気がつけばギリギリか、遅刻してしまう。
みんなもわかってくれているからという甘えがあるのですが。
まあ、適当に適度に生きています。
でも、次女は、手を抜くことができなくて、完璧にできなくなって、パンクしてしまったのかなあと思います。
そこへいじめという、不必要で無駄な環境まで重なって、学校に行くことをやめてしまったのかもしれません。
でもそれも個性。
顔が面長だったり、目が細かったり、鼻が低かったり、短足だったりするのと同じです。
目や鼻は整形で治せる時代になりましたが、短足は治せません。
学校に行けないという個性と一緒です。
だから、なぜ、学校に行けないのかを考えるのではなくて、学校に行けない子どもの居場所の選択肢を広げることに力を注いでほしいのです。
調査はもういいです!
いくら調査したって、理由はバラバラです。
ケースバイケースですから。
・コロナの影響
・SNSなど情報過多
・自宅にいる楽しみが増えた
・核家族で母親が就労で不在の家庭が多くなっている
・育児のワンオペで目が行き届かない
不登校の母親として思い当たるところはこんなところですが、他にも問題があるだろうし、複数の原因が絡み合ってるかもしれないし、色々だと思います。
それより、まずは学校という型の中にしか選択肢がない状況をなんとかしてほしい。
今は、登校の仕方にも色々と選択肢があります。
・通常登校
・保健室登校 →通常クラスには入れないが、保健室なら登校できる場合。
・特別支援教室登校 →一日のうち好きな時間に登校時間を決められる。勉強も自由。
・タッチ登校(先生に挨拶してプリント関係をもらって帰る)
でもこれらは、すべて、学校の中にあります。
我が家にとっては、地獄の中。
学校じゃない居場所を子どもたちに作ってあげたい。
学校やフリースクールの他にも、自宅で参加できるネットの中のバーチャルな世界でもいいんです。
公式に出席としてみなされるバーチャルな学校がもっと広がって欲しいと思っています。
そしたら、物理的ないじめを心配しなくても良くなる。
物理的に離れられます。
体を動かす機会が少なるなどデメリットもあるかもしれませんが、それはコロナ禍で色々な施策が行われていたはず。
体育の授業では、自宅で縄跳びなど体を動かす宿題が出ていました。
学校教育の現場でも、どんどんITの導入を検討してほしい。
浦島太郎状態にならないでほしい。新しい技術をどんどん取り入れてほしい。
一つ提案があるのですが、退職した先生たちに、学校の休み時間に校内を散歩がてらぐるぐると歩き回って、子どもたちの動向に目を配ってほしいです。
忙しい現職の先生たちの代わりに、廊下を歩き回るだけでいい。
大人の目がなくなる瞬間に子どもは悪さをします。
いじめはなくなりません。
文部科学省が行った「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、いじめの認知件数は小中学校ともに前年度より増加しています。
認知件数(R4年度) | 前年度(R3年度) | |
小学校 | 551,944 件 | 500,562 件 |
中学校 | 111,404 件 | 97,937 件 |
児童虐待や貧困、ヤングケアラーなど、ひとりで悩んでいて支援につながっていない子どももまだたくさんいます。
困っている子を見つけてあげられるのは、一番近くにいる先生方なのです。
相談しやすい環境と、寄り添い方があると思うのです。
担任の先生への相談はしにくいです。私たちの時代もそうでした。
担任でもなく、よく校内をニコニコしながら歩いている先生。誰でも話しかけていい先生。
そんな存在の先生がいるだけで救われる生徒もいると思います。
慣れ親しんだ教育の現場で、その経験と力を発揮していただきたいです。
いじめは、休み時間、先生のいない時間に起こっています。
これ以上、いじめで学校に行けなくなる子どもを一人も増やして欲しくないのです。
※次女が苦しんだ、今も苦しんでいるいじめの話は下の記事にも書いてあります。
学校に行かないとどうなるのか?
結論、どうにもなりません。
ただ、学校に登校していないだけ。
義務教育の間は出席日数が足りなくて学校に通えなくなることはありません。
自宅でも、プリントなど少しでもいいので勉強ができるといいですね。
いやいや・・・
プリントをする元気なんてありませんがな。
ご飯も食べられないほど悩んでるのに!
学校の先生は、勉強の話やテストの話をちょいちょい出してきますが、不登校歴1年8ヶ月の今でも、次女は全く勉強はしていません。
勉強なんてできる状態ではなかったので。
食べないし、寝ないし、話さないし。
俺、うつ病なんじゃないかなあ
なんて言い出すし…。
頑張って生きるのに精一杯でした。
パワーが溜まるまでは、とにかくゆっくりと待ってあげて、あとは動き出すタイミングのシグナルを見逃さなように見守ってあげればいいと思うのです。
勉強は二の次です。
その時が来たら、学校以外で居てもいいと思える居場所を子どもと一緒に探しはじめたらいいだけ。
学校が全てではありません。それは義務教育であっても、高校でも、大学でも同じです。
ここで注意したいのが、親が行かせたい居場所と、子どもがいやすい居場所は違うこともあるということ。
あくまでも、選ぶのは本人です。
学校を休んで、しばらく経ってエネルギーが溜まってくると、
なんか暇だなあ〜
ゲームしてても暇だなあ〜
と言い出します。
その機会を見逃さないであげてください。
「暇」というキーワードが必ず出てきます。
そのシグナルが子どもから出たら、公民館などに開設している近くの教育相談室や民間のフリースクールなどを探してみてください。
子どもの気が向けば、動き出すきっかけになるかもしれません。
でも暇だというだけで、動かないかもしれません。
それはそれで、それも、良しです。
勉強しないとどうなるのか?
結論、どうにもなりません。
自分が勉強に必然性を感じたらやればいいと、我が家では考えています。
別に社会人になってから勉強したければ通信制の高校に通ってもいいし、行かなくてもいい。
勉強をどれだけしたのかより、「何ができるのか」の方が、これからは大切だと思うのです。
勉強なんてできなくても、動画を1本作れれば求人はいくらでもあります。
AIを使えば、いくらでも作れます。
学校ではまだ教えてくれませんけど。
生きる力をつけてほしい!
今はそう思っています。
学歴がないと、社会で働けないのか?
もちろん、働けます。
今は、ネットでの求人では、本名も住所も年齢も性別も、全く公開しなくても求人に応募することができます。
その人が過去に何をしてきたかより、「今、何ができるのか」。
どんなスキルを持っていて、それを活かして、他人を助けることができるのか。
そういったことが重視される職場では、学歴(なんてもの)は何の意味もありません。
だって、そもそも聞かれませんから!
いくら有名大学出身だとしても、個性の光る動画の一つも作れなければ採用してもらえない仕事もあります。
何でもAIで作り出せる時代になりましたが、AIが作り出すものの一つ先を行くものを作るための要素は、やっぱり個人のもったセンスだと思うのです。
センスって、学校で磨けないじゃないですか。
個性を潰して、協調性、同調性を優先しているところだから。
将来の可能性や伸び代を自由に伸ばしていいところではないから。
もちろん、有名大学の名前が就職に有利に働く会社もありますが、これからの時代は、その風潮もどうなるかわかりません。
総理大臣より資産の高い人たちはたくさんいます。
お金の問題じゃないんだ!
地位と名誉が欲しいんだ!
それならば、勉強すればいい。否定なんてもちろんしません。
それもいいですよね。そちらの道へいってらっしゃい。
勉強が嫌いなら、自分の好きと得意を探して伸ばしていけばいいんです。
それぞれの進む道が違うだけ。
それだけのお話し。
好きと得意を仕事にすることができたら、こんなに楽しいことはありません。
毎日、楽しく作業して、お金ももらえる!
最高やん!
毎日がフェスティバール!
学歴がないと、いい暮らしはできないの?
結論、そんなことはありません。
学校に行けなくなっていても大丈夫!
学歴がなくとも、稼ぎまくっている人はたくさんいます。
稼ぐ能力も個性。
*勉強が得意・苦手
*背が高い・低い
*美人
*イケメン
*鼻が大きい・小さい
*寄り目
*出っ歯
*短足
*毛深い
*まつげが長い
*空気が読めない
*なぜか目をひく
*人を惹きつける魅力がある
*稼ぐ能力がある
これらはみんな、並列の個性です。
少し前までは、誰も信じて疑わなかった常識があります。
学歴の高さ=将来年収の高さ
確かに、これも事実。
でも、終身雇用の崩壊、若手労働者の取り合い。
大学院まで行ったところで、若くて素直な高卒の労働者の手が求められている現実に勝てるのかどうかはもうわかりません。
東大を卒業したからといって、みなさん大金持ちになれたのか?
そしたら、日本の経済はもっと潤っていても良さそうなものです。
私の知り合いの旦那さんで、東大出身の方がいますが、社会に出ても働き続けることができず、自宅に居ながら奥様に養ってもらい、奥様に内緒(のつもり)で高齢の両親からお小遣いをこっそりもらって本を買いに行っては読んで過ごしているという方を知っています。
まあ、それも一つの人生。多様性。
女性が働いて、男性が家を守る。それもアリですね。
でも、そもそも東大を出る必要はあったのか。まあまあまあ他人事ですからね。
なぜ、みんな苦しくて辛い勉強をするのか。
勉強をして、知識と忍耐力をつける
・・・その先は???
協調性・同調性を守ることを前提とする枠の中にいるから、突き抜けられないのではないでしょうか。
どんなことでもいい。突き抜けろ、子どもたち!
学校に行く、行かないはさほど問題ではありません。
無理に学校に戻そうと、親が躍起にならなくてもいいんです。
学校に行けていなくても、将来の道はいろいろと開かれています。
だから、結論、学校に行けなくなっていても大丈夫!
子どもと一緒に、その子の好きと得意を探してあげましょう。
今は、それがいちばん大事。最重要項目です!
それでは、また。