不登校を受け入れる              ―小児科での受診で気付かされた母親の役割

⭐️不登校

なぜ不登校になったのか。何が悪かったのか。何が原因だったのか。考えても、考えても、子どもの状態が変わるわけではありません。過ぎてしまったことはもう変えられない。考えなければいけないのは、これからのこと。まずは不登校を受け入れること、そこから始めましょう。

不登校の原因を子どもの中に探しても見つからない

なぜ自分の子どもが不登校になってしまったのか。

考えても考えても答えは見つからないし。
苦しいし。
何をしても子どもは学校に行かないし。

そうなると、
子どもが生まれてきた時からそうしていたように

予測できない事態が起こった(病気になった)時に
お医者さんに駆け込んでいたように、

不登校もお医者さんで治してもらえるのではないかと
つい、思ってしまいます。

でもいざ受診すると言っても、何科に行けばいいのか。

不登校は学校での問題なので、
小児科ではみてもらえないのではないか。

不登校は薬で治すようなものではないのではないか。

色々な思いがぐるぐるします。

結局最後には、
不登校の原因を子どもの中に
探したくなる気持ちもよくわかります。

不登校に詳しい元教員の先生に助けを求めて
相談した時に、
「受診なんてしなくてもいいのに…」
と言われました。

でも、受診することによって、
ハッと気付かされることを教えてくれる先生もいます。

病名をつけることを目的にはしないで、
不登校について、何かヒントをもらいたいと思うなら、
受診するのもいいことだと私は思います。

子どもに病名がつくと少し安心できると思った

まず、悩むことは、

不登校で受診するときは、
何科に受診すればいいのか?ということ。

精神科?

でも、別に学校に行けていないだけだし。

色々考えた末に、
長女が不登校になった時は、

生まれた時からのかかりつけ医の小児科に
連れて行くことにしました。

「高3の娘が、学校に行けていないのですが、受診してもいいですか?」と電話で相談したところ、

「大丈夫ですよ。いらしてください」
と、思ったより、すんなり看護師さんに言われて
少し驚きました。

熱もないし、風邪気味でもないし。
「他の病院で受診してください」と断られるかと
内心ビクビクしながら電話したのですが
優しい看護師さんの言葉に、少しホッとしました。

診てもらえる。

それだけで、一人で悩んでいた私は
肩の荷が少し軽くなった気がしました。

そして、診察室に入って、
学校にしばらく行けていないことを私が一通り話すと、

小児科の先生は、私の方は見ずに、
長女の顔を見ながら、軽く問診した後で、

明日から、学校に行くか行かないかは、
あなたが決めてください。朝起きて、
どうするのかは、あなたが自分で決めてください。


と長女に言ったのです。
母親の私の方は一切見ないで。

そこで、私は、ハッとしました。
先生は、母親の私に言っているんだな…)と。

先生は、我が家で毎朝、
私と長女の間でどんなやり取りがあるのか
お見通しなんだな、と。

母親の私が、
登校するかしないかについて
毎朝どれだけ、長女を追い詰めているのかを。

そこで、学校に行けなくなった原因は
私にもあるんだな…と思い知らされました。

ネットには、「不登校の原因は保護者ではありません」
という優しい言葉がよく見られますが、

我が家の場合は、私も一因だったと思います。

小児科の先生に
自分で決めていい」と言われた長女は、
我慢していた涙をいっぱい流して泣いていました。

そばにいた看護師さんが、
「大丈夫だよ、受験のストレスがいっぱいあるもんね。行けるようになるから、大丈夫だよ
と優しく、長女の背中をさすってくれていました。

私は隣で黙って、それを見ていただけ。

(あれ?この状況は、なんか変じゃない?)

受診できて安心していた私の気持ちと、
自分の子どもが看護師さんに励まされているのを見て
ザワザワする気持ちに違和感が…。

長女についた病名は、
【起立性調節障害の疑い

次の日から、
「今日はどうするの?今日も行かないの?」と
毎朝、怒っていたのをやめました。


すると、何かが動き出したような気がしました。

するべきことは「大丈夫だよ」と背中をさすってあげること

子どもを小児科の先生に診てもらった時の私は、
長女に疑いでも病名がついたことで

(自分の育て方が間違っていたわけではない)

と、少しほっとしたように思います。

子どもが小さい頃に
高熱が出て受診して、インフルエンザかと思ったら
ただの風邪だった時に、少し安心する感じ。

ああ、長女は病気だったんだ。
私の育て方が悪かったせいじゃないんだ、と。

とにかく、

自分が悪かったのか?
なんでこうなってしまったのか?
どうしていたら不登校にならなかったのか?

と、私は原因ばかり探していました

でも、今思い返すと、

受診した時に、看護師さんが長女にしてくれたように

「大丈夫だよ」といいながら背中をさすってあげるのは
母親の私の役目だったんだとわかります。

学校に行けなくなって、まず子どもしてあげることは
カリカリ怒ることでも、
原因を探すことでもなくて、

「大丈夫だよ」の声掛けと、
優しく背中をさすってあげること
だったのです。

その時の私は、
学校に行かせなければいけない母親としての責任が
果たせていないことばかりが気になって
ただ、子どもを怒ってばかりいました。

子どもの気持ちを深く考えようともしないで
自分の立場や役割のほうを優先していたのです。

まずはかかりつけの小児科で受診する

不登校の相談は、小児科ですることができます。

子どもに精神的な問題がありそうな場合は、
小児精神科での受診を考えてもいいのですが、

とにかく小児精神科は混んでいて
予約が取れません。

不登校が始まった頃は、
とにかく1日でも早く受診させたいと思っているのに、

予約を入れようと電話をすると
予約は2〜3ヶ月先ということも
めずらしくありません。

心配なら、まずは、かかりつけの近所の小児科医
受診してみることをおすすめします。

不登校に詳しくない小児科医もいる

高3の長女が不登校になったまま、
大学受験のシーズンに突入して、
受験ラッシュのピークに入った頃、

中1の次女も不登校になりました。

(えーーー。あなたもなの⁉︎)

と正直、

(なんで今なの?)

と思ってしまった自分がいました。

でも、今ならわかりますが、
私がそんな状態だったから
次女も不登校になったんだなあと理解できます。

子どもの人生と自分の人生を切り離して考えられず、
受験のストレスを、母親の自分まで100%背負いながら
余裕のない生活をしていました。

さらに、運が悪いことに、
職場ではパワハラを受け、
母の認知症の進行が早まって、
実家からのプレッシャーもかかり、
その上に、次女も不登校に突入したため、

私の許容範囲を超える出来事にやられて
脳が活動不能になり、
何もできなくなってしまいました。

毎日泣いて過ごして、
それでも、次女の不登校を受診して
先生に治してもらいたかった私は、

次女が持病でかかっていた市民病院の
小児科で受診することにしました。

でも、その先生は、残念ながら
不登校対応にはあまり詳しくない先生でした

「なんで朝起きれないの?
まあ、夜遅くまでゲームしてれば、
朝、起きれないよね」と。

なんの足しにもならないコメントばかり

でも、めまいと頭痛が続いていた次女の
体調不良の原因がなんとか知りたいと
粘ってお願いしてみたところ、

「まあ、じゃあ、検査でもしてみますか?」

と言ってくれて、起立性調節障害の検査をすることに。

5分ベッドに横になって、血圧を測り、
立ち上がってしばらくたったらまた血圧を測る。
これを繰り返す検査でした。

その検査で、ただ立っているだけで
心拍数が100まで上がっていたことがわかりました。

心拍数が100とは、軽く運動している状態です。

次女は、小さい頃から、
一緒にショッピングをしていても、すぐに疲れた
と言って座ってしまうことが多い子でした。

中学1年生の時に参加した体育祭の練習でも
グランドで立っているとめまいがする、くらくらする
とよく言っていました。

「そんなのみんなそうだよ。頑張りな!」

と、そんなことしか言わずに心配もしていなかった私。

めまいにも原因があったんだなあと、
その時の検査でわかりました。

でも、次女についた診断名は、
【起立性調節障害の疑い】(また⁉︎)

何度か受診して、薬を出してもらったりもしましたが
症状は良くならず、学校にも行けず。

長女の不登校の時は、もう高校3年生だったので
(なんとかなるだろう)
とあまり深く考えていなかったのですが、

次女はまだ中学1年生だったし、
精神的に不安定な部分があったので、焦ってしまい、

違う病院を探して受診させることにしました。

思春期外来や小児精神科医の予約は2〜3ヶ月待ち

まず、大学病院の思春期外来で受診したいと
市民病院の先生から紹介状を書いてもらって
2週間後に予約を入れてもらいました。

でも、その頃は、
不登校になって1ヶ月後くらいで、
次女も一番不安定な時期でした。

親子の会話もままならない状態で
せっかく無理をして予約を入れてもらった日に、
病院に連れて行くことができなかったのです。

あとで他の病院で聞いたのですが、
子どもが行けない場合でも、親だけでも受診しておくと
子どもの名前でカルテが作成されて、
次回の予約が取りやすくなるそうです。

不登校の子どもは気分の上がり下がりが激しいです。

子どもの気分で受診できない場合でも、
キャンセルはしないで、
まずは保護者だけでも受診することをおすすめします

大学病院の予約をキャンセルしてしまったので、
その後、もう一度、もらっていた紹介状を使って
受診をしたいとお願いしたのですが、

もう、新患扱いになるので予約しても3ヶ月後になると
受診を断られました。

受診のチャンスは逃さないほうがいいです

それからしばらく、他の小児精神科医を探して
やっと1ヶ月後に予約が取れました。

そこでは、
「まずは母親一人で受診して経過を教えてほしい
と言われました。

後日、
一人で受診してこれまでの経緯を話している最中、
泣いて泣いてどうにもならなくなってしまったところ、

「お子さんのことはとりあえず置いておいて
まずは、あなたが精神科にかかってください

と診断されてしまいました。

そこから、長い長い、暗い暗いトンネルの中を
私も次女も彷徨い歩く生活
が始まりました。

まあ、今回、言いたかったことは、
受診する先生によって
その後の経過が変わってしまうということ。

あとは、母親の状態で
その後の経過が変わってしまうということ。

まずは、信頼している小児科の先生のところでの
受診をお勧めしますということ。

小児精神科の予約は取りにくいということ。

キャンセルすると2度目はないということ。

でした。

それでは、また。

YG@_@のつぶやき…

知り合いの話なのですが、
大病になり、大きな手術を受けたのですが、

そんな状況でも職場環境を変えるために
転職を考えて面接を受けた際に、

それまでの闘病生活のことや、
現在の受診状況などを包み隠さずに
話したそうなんです。

そうしたら、見事、転職に成功!

自身のことを隠さずに、さらけ出して
話してくれたことが好印象だったと
言われたそうです。

包み隠さず、自分を出すことは難しいことです。

最近、私も、職場の人に
子どもが不登校でフリースクールに通っていることを
自然と話せるようになってきました。

不登校は、隠すことでも、隠れることでもないんです。
うちの子は、元気に生きていますから!

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