子どもには、学校と家庭の2つの世界しかありません。子どもにとって、学校という集団生活の中では、いいことも悪いことも、さまざまな出来事が起こります。学校で居心地の悪い状況があったとしても、家庭で安心感が得られれば、なんとかバランスをとり続けることができるそうです。逆の状態でもバランスは保てます。他にも祖父母の存在など、助けてくれる人が周りにいる子どもは、バランスを崩さずにいられるかもしれません。不登校になった子どもは、学校でも家庭でも安心できる状態ではなくなって、バランスが取れなくなってしまった状態です。家庭がいつでも相談しやすい状態であることは、子どもたちのパワーをチャージするためにはとても重要なことなんです。
「話しかけやすい母親のはず」は思い込みかも!?
江崎グリコ株式会社が行った調査【母と子のコミュニケーション調査2018】で、中高生に対して「お母さんに話しかけやすいかどうか」というアンケートが行われました。
48.3%の母親が「そう思う」と答えているのに対して、
34.5%の子どもしか「そう思う」と答えた子どもがいないという結果がでました。
我が家は“友達親子”のような関係だから、
私は話しかけやすい母親のはず!
母親が自信を持ってそう思っている場合でも、子どもから見ると「話しかけにくい」と思われている場合が意外に多いという結果です。
中高生という思春期の子どもたちに対して行われたアンケートという意味合いも大きいと思います。
聞いて欲しい話があるんだけどなあ…
でもママ…今日も機嫌悪そうだなあ。
やっぱ、話しかけるのやめようかなあ…
母親との会話における子どもの悩みとしては…
という回答が多く、女の子に関しては、「お母さんに話しても興味なさそう」と答えたのが43%以上もいたそうです。
ゔ……
み、み、見抜かれていた…
仕事と家事に追われて、バタバタと忙しくて、いつもイライラしていた私は、話しかけにくい母親だったと思います。
親から見れば些細なことだと思えることでも、子どもにとっては大きな悩みです。
しっかりと聞いてもらえない経験が小さな頃から積み重なると、あきらめの気持ちが強くなってしまいます。
どうせ聞いてもらえないんだろうな…
今は、できるだけ自分の機嫌は自分でとって、仕事の量も調節して、家族のために毎日ご機嫌でいるように心がけています。
今は、次女が自分から本音を話し出すまで、私は「待て!🐶」の状態です。
話を聞くスタンスを保つためにも、無理はしないで、自分の心に余裕を持たせるようにしています。
子育ての「立て直し」をしている我が家にとっても、話しかけやすい母親でいることがキーポイントだと思っています。
笑っている人の近くには、人が集まってきますよね。
そんな人(母親)でありたいなあと思います。
モンテッソーリ教育について
今流行りのモンテッソーリ教育についてまとめたいと思います。
イタリアののマリア・モンテッソーリ博士によって考案された、子どもの自主性や自己選択を重視する教育法です。
子どもが自分の興味や関心に基づいて学ぶことで、自己教育力を引き出すことを目的にしています。
子どもの自立心や他者への思いやりを育てて、常に学び続けようとする力を養うことを目指している、世界でも広く支持されている教育法です。
Googleの創立者やAmazonの取締役会長など、多くの著名人が受けた教育法として知られていますが、不登校の子どもたちにも適した教育法だと思います。
0〜18歳までの子どもに対応している教育法なので、子どもの発達段階で、できることとできないことがありますが、子どもが大きくても小さくても、始める時期に早い遅いは全くない教育方針です。
自宅でもできる教育法で、特別な教材を用意しなくても、モンテッソーリの精神を家庭で取り入れることはできます。
賞罰は子どもの魂を奴隷にする
「すごいね」「頑張ったね」と外的な評価をし続けると、一生、好適な応援がないと頑張れない子になってしまいます。
・生活上できて当然なことはわざわざ褒めない。
・外的な評価を常に与え続ける必要はない。
・外見だけを褒め続けると、可愛くいなければ価値がないと思う。
成果だけではなく、「諦めずに頑張っていたところを見ていたよ」というメッセージの方が大切です。
頑張ったら、なんか楽しい!
内的動機を刺激してくれるのが「プロセス褒め」。
「すごい!」と結果をわざわざ褒め称えなくてもいいのです。
次のチャレンジに繋がるアシストができればいいのです。
こんなことができるようになったねえ
特別に褒めなくても、温度感を持って、みたままを子どもに伝えるだけで、十分です。
評価するより、描写を伝えるだけでいいのです。
見守っていることが伝わるだけで、子どもたちのエネルギーになります。
FBIも採用!「聞く技術」=アクティブリスニング
親子の意見が違ったとしても、歩み寄る努力は必要です。
・ひとまず気持ちを受け入れる
・心理的に安全な環境を作る
これらを基盤とする「聞く技術」をアクティブリスニングといいます。
日本語では、「積極的傾聴」といわれるコミュニケーション技法です。
アクティブリスニングの具体的な方法を5つご紹介します。
共感的傾聴
・相手の話に共感しながら聴く
・うなずいたり、言葉を反復したり、理解を示す
・自分の意見を押し付けない
・相手の感情に焦点を当てる
ノンバーバルコミュニケーション
・アイコンタクトや身を乗り出す姿勢など、非言語的なコミュニケーションを活用する
・相手に関心を示して、信頼関係を築く
・正面を向いて話を聞く
・オープンな姿勢を保ち、腕は組まない。
言い換えと要約
・自分の言葉で相手の話を言い換える
・要約して理解を確認する
自己主張を控える
・自分の意見は控える
・相手の話に集中する
・相手の話を深く理解する
会話の目的を明確にする
・話の流れを把握する
・問題の本質に迫る
相手の感情や考えを理解するために耳を傾けるという「傾聴する」手法は、福祉の現場でもよく活用します。
仕事で活用していた技法を、家庭内でも活用していれば…
やり方は知っていたはずなのに…
この記事を書きながら、しみじみと思っています。
子どもへの対応が雑になっていたのは、否定できません。
子どもにはどうせ理解できないでしょ。
まあ、子どもだから会話なんてどうせ忘れるでしょ。
子どもの能力は低いものだとどこかで下に見ていたのだと思いますが、意外と子どもは大人の言葉の意味やニュアンスを感じ取っています。
子どもには理解できないだろうと思って、大人の相手に対しては当然のようにしている気遣いを忘れて適当にあしらってしまっていたのは、子どもへの甘えだったのかもしれません。
子どもに対してであろうと、感情のコントロールをして向き合うことは必要です。
でも、まだ遅くない!
今日気がついて、よかった。
いまから、子どものニーズに寄り添うアクティブリスニングでいきます。
それでは、また。