子どもが不登校になってしまうと、とにかく「子育てが間違っていたのかなあ…」と原因を探し始めます。でも、【後悔先にたたず!】です。反省は後回しにして、これからの未来の行動について、次こそ後悔しないようにどうすればいいのか考えます。まずは前向きに、「子育てをもう一度【立て直す】ことができる!」と考えてみてはどうでしょうか。長女は高校3年生で、次女は中学1年生で不登校になりました。全てをやり直すには長い年月を共に過ごしてきた長い時間があります。自分のやってきた子育てが全て間違っていたわけではありません。少しの知識と心構えの変化で、親子関係の「立て直し」ができます。それが、不登校改善への近道となるのです。
不登校になったから、もう一回「子育て」ができるんです!
子どもが不登校になってしばらくしてから、
もう一度、
次女の子育てができる!
と思えた瞬間がありました。
これからの人生を歩んでいく上で大切なことを、もう一度、ゆっくりと次女と向き合って教えてあげられる!と思ったのです。
少し、ウキウキする気分です。
長女が大学生になって自宅をでて、独り立ちをしてほっとした反面、18年間も一緒にいた子が家の中からいなくなる寂しさもあって、
あとは次女の子育てだけかあ…
と、少し寂しくなったんです。
そんな時に、次女が不登校になって、頭がおかしくなるほど悩みましたが、ある日、ふと思ったんです。
もう一回、子育てできる!
私は、なんだかんだ言っても子育てが好きみたいです。
あんなに小さい細胞が、細胞分裂を繰り返してこの世に生まれて、
*言葉を話したり
*歩いたり
*走ったり
*字を書けるようになったり…
ある意味、驚異的な進化を目の当たりにするのです。
一つの細胞の進化を目の前で見られるなんて、不思議な感覚です。
生きている、進化しているだけで、すごいことなのに、
*勉強ができる子になったり
*スポーツが得意な子になったり
*絵が得意な子になったり
*ゲームが得意な子になったり
自分が興味をモテるものに没頭して極めていく。
何ができるようになっても、すごいことですよね。
それなのに、この学歴社会の波にどっぷりと浸かった私は、子どもたちの個性や才能に目を向けないで、周りの同級生たちと比べてばかり。
少しでも勝てるように、怒って、怒って。
がんばれ!がんばれ!
もっとできる!もっとがんばれ!
子どもたちの限界まで追い詰めていきました。
勝ち負けなんて、意味はなくて、その子の個性と好きを伸ばしてあげたら、
子どもは伸び伸びと、ぐんぐん育っていくんです。
『伸びしろしかないわ〜♪』
よく長女と次女がカラオケで歌っています。笑
ほんと、伸びしろしかないんです。
次女と長女は歳が5才はなれているのですが、身長は次女の方が少し大きくなりました。
体の大きさがほとんど変わらないこともあったからか、長女ができることを次女ができないと、
なんで次女はできないんだろう?
なんでこんな言葉の意味も知らないんだろう?
と、もどかしく思っていたところがありました。
5つの年齢差の分だけ、次女ができないことは多くて当たり前なのに、
次女にも長女と同じ成果を求めて、厳しめに接してしまっていたと思います。
次女の登校しぶりが始まったころ、こんなことが学校で起こっていました。
・学校での男子生徒からのいじめ
・同級生の女子生徒からの悪口のデリバリー
ともだちが信じられない…
人間が信じられない…
その上、家庭では、私たち家族が次女の話をしっかり聞いてあげなかったことで、より深く傷つけてしまったのだと思います。
次女のエネルギーは枯渇して、完全な不登校になってしまいました。
ツラい気持ちを受け止めてくれる人がいない…
学校でツラくなってきた時に、家庭でちゃんと話を聞いてあげていたら。
逆に、家庭で親とケンカして居心地がわるくなった時に、支えてくれる友達や先生が学校にいてくれたら…。
もしかしたら、今の現状とは違う未来になっていたのかもしれないし、そうではないかもしれない。
でも、いまさら、たられば話になんの意味もありません。
きょうだいに不登校の子がいると、他の子も不登校になりやすい⁉︎
きょうだいに学校に行っていない子がいる場合、他のきょうだいも不登校になる確率は高くなるといいます。
長女が学校へ行っていなかった状況を間近で見ていたので、不登校を選択するハードルも低かったのかもしれません。
小・中学生の子どもにとっては、
「学校」と「家庭」
その2つしか居場所の選択肢がありません。
どちらかが安心できる場所であれば、バランスをとりながら生活していけたのだと思います。
学校で苦しんでいる次女を受け止めてあげられる器が、家庭に必要だったのです。
ただ聞いて、優しく受け止めてあげられていたらと今は思います。
子育てのやり直しをしているみたいだなあ…
時々、そんな風に感じる時があります。
私も次女も、不登校がはじまったころは全く何もできなくなってしまいました。
思考停止状態。
*食事ができない
*外出することができない
*人と話すことができない
*テレビを見る気力がない
*家事が何にもできない
*ただ寝てるだけ
今思えば、体が「休んでー!」と悲鳴をあげて、
ストレスで疲れ果てた『脳』が「頼むから休ませてくれー!」と叫んでいたんだと思います。
次女も全く動かなくなって、ベッドに丸くうずくまって動かなくなって
まるで大きな体をした赤ちゃんになったようでした。
不登校で始まる、子育ての「やり直し」じゃなくて「立て直し」
動けなくなった(私を含む)大きなこども2人…。
主婦が倒れると家庭が回らないことに気がついた夫が、まずは、私を助けて復活させました。
今は2人(➕リモート参加の長女)で「子育ての立て直し」をしています。
「やり直し」ではないんです。「立て直し」です。
これまでの子育てが全て間違っていたわけではありません。
愛情を持って、大事に大事に育ててきましたが、
少し、間違った対応があったのです。
それを、不登校になることで子どもたちが身をもって私に教えてくれたのだと思っています。
もう、これ以上は無理だよ!
タスケテ・・・・・
自分でSOSを出せる子に育ってくれた!
それは、とても大切なことだと思います。
だから、子育てを全てやり直す必要はないと思っているのです。
これからすることは、子育ての「立て直し」なんです。
自分で選択できる子に育てる「褒め方」「叱り方」
不登校になると、腫れ物に触るように子どもとの会話が極端に減ります。
それまでどうやって
*話していたのか…
*褒めていたのか…
*叱っていたのか…
全くわからなくなります。
瞑想状態です。
これから、この子にどうやって接したらいいのかなあ…
普通に話せる日なんて来るのかなあ…
前みたいに戻れるのかなあ…
リビングで、次女を刺激しないように、夫と小さな声で会話していた時期もありました。
どうしていいのかわからな苦なると、不登校を経験した長女に助言を求めることがよくあります。
放っておけばいいんだよ!
思春期はあんなもんだよ。
ママたちは、私が不登校になった時は、何もしなかったじゃん!
(ぐぬぬぬぬぬ・・・・)
ご、ごめんね…。お姉ちゃんには、ごめんしか言えない。
自己肯定感が下がってしまって、全てに投げやりになってしまった次女。
不登校をきっかけに、「子育ての立て直し」をしている中で学んだ、「褒め方」と「叱り方」のポイントについてまとめます。
「褒め方」3つの種類
褒め方には3つの種類があります。
【おざなり褒め】
メリット /見ていなくてもできる褒め方。とにかく褒める。 (例)「上手!上手!」
デメリット/褒められ依存になる
【人中心褒め】
メリット /表面上のことに対して褒める方法。 外的評価。(例)「可愛いー」「頭いいよね」「優しいよね」「すごい」
デメリット/チャレンジ精神やモチベーションを下げる弊害あり。無条件で褒めてくれる人がいない場面で、自分のやっていることに自信がなくなる。外的評価を下げてはいけないというプレッシャーがかかる。評価が下がらないように防波堤を張ってから行動するため、チャレンジしにくくなる。
【プロセス褒め】
メリット /本人が行ったプロセスにコメントをして、励ます褒め方。
子どもを伸ばす褒め方は、デメリットのない【プロセス褒め】です。
結果より、そこまでの過程や努力を褒めることで、次へのチャレンジにつながります。
やってはいけない「叱り方」4選
1.体罰
2.口頭による罰
3.物理的な罰
4.行動による罰
罰を与える叱り方をすると、その状況から逃げ出すことを考えるようになります。
「悪かったな」「次からは気をつけよう」などという反省の気持ちは生まれません。
なんでこんなことをされなければいけないんだろう…
早く終わらないかな…
さらに反抗的で反発的な態度になるので、逆効果になります。
不登校の子どもの問題に置き換えて考えると、学校にいけないことを怒って、なんとか再登校させるよう努力するより、
まずは「クッション言葉」を入れて、「話を聞く姿勢があることを子どもに伝える」ことが先決です。
学校を休むしかなかったんだね。
つらっかったね。
学校に行けなくなったことを怒って再登校させることだけが正解ではありません。
まずは気持ちが落ち着くまで待ってあげることが第一です。
本人の気持ちが学校へは戻らずに、学校以外に興味を持てるものを見つけたときには、
どうやったらそれを提供してあげられるかに視点を変える方が重要になります。
好きで楽しいことが見つかれば、なんでもいいのです。
いろいろやって試してみて、ぐるぐる遠回りをして子どもの気持ちが学校に戻ることもあるかもしれません。
何が起こるのかは、誰にもわからないのです。
正しい叱り方4箇条
1.「だめ」「違う」をできるだけ使わない
・「だめ!」という言葉でびっくりして、感情をコントロールしり扁桃体が固まってしまう。
2.結果ではなく努力のプロセスに目を向ける
3.好ましくない行動の理由を説明する
・しつけとは罰を与えることではなく、「やっていいこと」と「悪いこと」をしっかり伝えて、お手本を見せて境界線を示すこと。学校へ行かないことは「悪いこと」ではない。
4.親の気持ちを直接伝える
・親にとって都合がいいことではなくて、子どもの選択を促す対話をする。
毎日、子育てで完璧を目指さなくてもいいのです。
できない日があってもいいんです。
子どもだって大人だって、うまく行かない日もあります。
自分自身にもリスペクトの気持ちを持つ親の背中を、子どもに見せることも重要です。
自己批判を続けない!
自分自身も認めてあげる
親としても大事なことです。
親も楽したっていいんです。
しつけと虐待の違い
私は、児童福祉関係の相談員を10年以上しています。特に、児童虐待に関するケースを専門に取り扱っていました。
学校から通告があると、虐待を受けた子どもとの面談を行って、時にはその子を児童相談所に連れて行くこともありました。
児童虐待が疑われれる子どものお宅に家庭訪問して、話を聞いたり。
ひどい時には、話しているうちにお母さんが興奮してきて、警察を呼んで助けてもらったり。
いろいろありましたが、その中で親御さんが主張されていたのは、
・しつけのために叩いた
・子どもが社会に出てから困らないように叩いて教えた
・ちょっと振りかぶったら、偶然、肘が顔に当たっただけ
・他のきょうだいは可愛いけど、この子は可愛くない
本当にいろいろな言い訳や、本音が出てきます。
いろいろな情報が集まってくる中で、一番大切にしなければいけないのは、子どもの気持ちです。
いくら親などがしつけのためにしたことだと主張しても、子ども自身が嫌だと感じる行為は虐待にあたります。
親子で事実が違うことを言っているのであれば、まずは子どもの主張を優先して対応します。
大人は嘘をつきます。
子どもも嘘をつきますが、まずは子どもの身の安全確保が一番大切です。
安全を確保した後、調査をして、事実関係を判定します。
やってはいけない「叱り方」を続けていると、
「虐待の4種別」
・身体的虐待
・性的虐待
・心理的虐待
・ネグレクト(放棄・放任)
に発展してしまう可能性が高くなります。
正しい「叱り方」を学ぶことで、虐待へのリスクも減り、子育ての「立て直し」も順調に進んでいくと思います。
いろいろ学ぶと、いろいろな知識が繋がってきて、学びが深くなります。
やっぱり、大人になってからも、学ぶって大切だなあとつくづく思います。
それでは、また。